ハマイヌビワの果実で思い出したこと
ハマイヌビワFicus virgata
方言名 アサカニク、アタナク、アチネーク、アンカニク
クワ科 トカラ以南、琉球列島、東南アジア、中国に分布
ハマイヌビワの果実がたくさん実っている。すでに紅熟し、暗
紫褐色に完熟しているものまである。
常緑の広葉樹でガジュマルの仲間。沖縄の山野に普通に見るこ
とができ、性質が強健なことから道路緑化樹、公園、庭園、防風
防潮、緑陰樹として使われていて、家畜の飼料や緑肥にもなる。
3?4月が結実時期、無花果(ムカカ、イチヂク状果とも呼ばれる
)は径7mm前後で小さい。
園や周囲の果実は鳥やコウモリの食料で、ハマイヌビワもその
一つ。これらの動物たちが種子散布を助けるのだが、植裁場所、
岩、樹木の枝の窪み等いろいろなところに生えてくる。樹木の窪
みから発芽した苗は次第に生長し、のっとることから「しめころ
し木」と呼ばれている。
子供の頃、ハマイヌビワは畑の周囲や山野にたくさんあるので、
ヒジャー(山羊)の餌としてよく使っていた。また、ジャーガル(沖
縄島南部の土壌)は乾燥するとスコップもさせないほど硬くなるの
で、緑肥として周囲の草木をよくすき込んでいたが、ハマイヌビワ
をよく使っていた。こうした作業は子供の役目なのだが、よく逃げ
出した。地際がサンサナー(クマゼミ)のマヤーグワー(セミ幼虫)の
宝庫で、時期になると大きな木を何本か巡っては捕まえて、羽化す
る神秘的なシーンを飽きずに眺めていた。
ハマイヌビワを眺めていたら昔を思い出した。
比嘉正一

sebg | 2007年4月14日 09:18

